炭素の排出削減に対して世界的に圧力が強まる中、鉄鋼業界はカーボンニュートラルの達成という急務に直面しています。2016年のパリ協定締結以来、世界各国が低炭素経済への転換を提唱し、炭素国境調整メカニズムや炭素税といった炭素関連規制の拡大につながりました。鉄鋼業はその排出量が大きいことから、こうした規制の影響を直接受ける状況となっており、多くの国が排出削減戦略を模索し、鉄鋼業の低炭素化移行に補助金を出すよう促しています。
日韓両国にとっては鉄鋼業は国内の主要産業・経済セクターであり、世界のマーケットでも支配的な位置を占める存在です。2022年の粗鋼生産量は、日本が8,920万トン、韓国が6,580万トンと、それぞれ世界第3位と第6位にランクされ、世界生産量の8.2%を占めていますが、同時にその排出量も大きいのが現状です。
そこで2024年6月13日(木)、Solutions for Our Climate (SFOC)とTransition Asiaは、「鉄鋼産業の脱炭素化へ向けた財政的・金融的ソリューション – 韓国と日本における支援の現状 」と題する業界向けの特別ウェビナーを開催いたします。はじめに、SFOCの鉄鋼アナリストであるヨンミン・クウォン氏が「鉄鋼の脱炭素化に向けた公的資金調達の世界的動向と韓国への影響」について発表し、続いて、Transition Asiaで日本担当アナリストを務める久保川健太氏が日本における鉄鋼脱炭素化に関する官民のエンゲージメント状況についてプレゼンテーションを行います。プレゼンテーションの後には、SFOCの鉄鋼担当リーダーであるヘザー・リーをモデレーターとして質疑応答セッションを設けます。
タイトル: 鉄鋼産業の脱炭素化へ向けた財政的・金融的ソリューション – 韓国と日本における支援の現状
日時 2024年6月13日(木)、日本時間16:00~17:00(中部欧州時間9:00~10:00)
フォーマット: Zoom
言語: プレゼンテーションは英語。英→日、英→韓の同時通訳有。
このウェビナーでは、以下に挙げるポイントを成果として目指します。
・特に水素をベースとする鉄鋼生産設備の開発と商業化に向けた資金調達にフォーカスするとともに、鉄鋼の脱炭素化を目的とする公的資金調達に関する現在の傾向を概観する。
・東アジアの主要鉄鋼生産国である日本と韓国における公的資金調達の現状と、産業界による脱炭素化の進捗状況を共有する。
・鉄鋼の脱炭素化と経済競争力強化に向けた官民協力のシナジー効果を探る。